Windows Server 2008 R2 でのフェールオーバークラスター(WSFC) 実践めも

日記「Windows Server 2008 R2 でのフェールオーバークラスター(WSFC) めも - oknknicの日記」で概要のみ書いていたWSFCの実践メモ。

下記ページのPart1〜Part8をなぞれば、Hyper-V上でのフェイルオーバクラスタ検証環境が作れる。

ということで、やってみた。

大枠は以下の通り。

1. 共有ディスク用のiSCSIストレージをシミュレートするために、StarWindのインストール、設定
(※MSのMicrosoft iSCSI Software Targetは、Windows Storage Server の評価版の一部として提供されており、単体では導入できない。そのため、今回はRocket Division Software 社のStarWindを使用する)
⇒と上記ブログには記載されているが、2012/07/07時点では、下記がある。
Download Microsoft iSCSI Software Target 3.3 from Official Microsoft Download Center
システム要件は「Windows Server 2008 R2, Windows Server 2008 R2 SP1」なので、私の環境に合致する。
ので、こちら(Microsoft iSCSI Software Target 3.3)を利用する。
2. ファイアウォールの設定
3. iSCSIストレージへの接続
4. 機能「フェールオーバー クラスタリング」の有効化
5. 構成の検証
6. クラスタの構成

前提

過去日記「Active Directory構成実践メモ - oknknicの日記」の手順で、仮想マシン02、03は仮想マシン01のADのドメイン「ok.gr」に参加しているものとする。

1. StarWindのインストール、設定

仮想マシン01に以下の手順でインストール、設定する。
1. サイト「Hyper Converged Infrastructure (HCI) and Virtual SAN (VSAN) • StarWind」から、「StarWind Native SAN for Hyper-V」をダウンロード
2. 同ページで、評価ライセンスを取得(※ユーザ登録が必要。しかも"会社の"メールアドレスが求められるorz)
3. インストール。促されるままに
4. 2で取得したライセンスでアクティベーション
5. タスクバーからコンソールを起動し、サーバに接続(デフォルトは、id:root、PW:starwind)
・・・今回はこちらはやめて、1'の方法をとる。

1'. Microsoft iSCSI Software Target 3.3 のインストール、設定

1. サイト「Download Microsoft iSCSI Software Target 3.3 from Official Microsoft Download Center」からダウンロードし、exeを展開、msiを実行
2. 「管理ツール>Microsoft iSCSI Software Target」を開き、
2.1. iSCSIターゲットの作成
    ※ウィザードの「iSCSIターゲットの識別子」の項で、「詳細設定」ボタンを押下し、接続対象のマシン(仮想マシン02,03)をすべて登録する。
    ※今回は、接続対象のマシンをIPアドレスで登録した。
    ※もちろん、IQN(iSCSI Qualified Name)での指定も可能。
     IQNの体系は、MSのiSCSIイニシエータの仕様(?)では、
     「iqn.1991-05.com.microsoft:コンピュータ名.ドメイン」となる
2.2. 上記ターゲットにて、iSCSI用仮想ディスクの作成(2つ(クォーラム構成用(1024M)とデータ用(10240M))作成)

2. ファイアウォールの設定

仮想マシン01の「コントロールパネル>Windows ファイアウォールによるプログラムの許可」から、「Microsoft iSCSI Software Target」にチェックが入っていることを確認する。
なお、iSCSIが使用するポートは 3260 である。

3. iSCSIストレージへの接続

仮想マシン02で以下を実施する。
1. 接続(「管理ツール>iSCSIイニシエータ>ターゲット」にてホストマシンのIP指定で「クイック接続」を押下)
2. オンラインにする(「サーバマネジャー>記憶域>ディスクの管理」にて、iSCSIのディスク2つを右クリック>オンライン)
3. 初期化する(同上で、右クリック>初期化)
4. フォーマットする(同上で、右クリック>新しいシンプルボリューム で。ほぼデフォルトでよいが、「ドライブ文字の設定」の項では「ドライブ文字またはドライブ パスを割り当てない」を選択する)
⇒(2012/07/18追記)
クラスタ上にサービスを構築する際にドライブ文字の割り当てが必要になるので、ここで割り当てておくのが良い。Wなど。
・(恐らく)割り当てたドライブ文字の若い方がクォーラムに利用される。ただし、クォーラムは後ほど変更可能(操作>その他のアクション>クラスタークォーラム設定の構成)なため、特に慎重になる必要はない

仮想マシン03では、上記 1. のみ実施する。
⇒(2012/07/18追記)
上記 2. まで実施する。共有ストレージの製品によっては、オンラインにしておかないとうまくいかない場合があるとか。また、接続テストも兼ねて。

4. 機能「フェールオーバー クラスタリング」の有効化

仮想マシン02,03双方で実施する。

5. 構成の検証

仮想マシン02にて以下を実施する。
1. ドメイン指定でログインする(ok.gr\Administrator など)
2. 「管理ツール>フェールオーバー クラスタ管理」にて、「構成の検証」を押下
3. 検証対象サーバは、マシン名指定で仮想マシン02,03を指定する

なお、上記の検証結果レポートを含む各種レポートは以下に格納される。

%windir%\cluster\Reports

6. クラスタの構成

1. ドメイン指定でログインする(ok.gr\Administrator など)
2. 「管理ツール>フェールオーバー クラスタ管理」にて、「クラスタの作成」を押下
3. クラスタに含めるサーバは、マシン名指定で仮想マシン02,03を指定する

(2012/07/15追記)
なお、クラスタを構成すると、クラスタ構成時にiSCSI接続していたドライブは、サーバマネージャ上では「予約」の状態になる。以後、該当のドライブについて設定したい場合は、フェールオーバークラスターマネージャー上で実施することになる。